インタビュー
「家族も自分も大切にする」北海道から発信する無添加天然成分のスキンケア製品|セントモニカ 七戸さん インタビュー
2016年07月01日
こんにちは、ちびむすドリル運営代表の内田です。
敏感肌のためのオリジナルスキンケア製品を開発、販売している「セントモニカ」。セントモニカ代表の七戸千絵さんは、私がウェブサイト運営を本格的に始めたころから色々とお世話になってきた方です。薬剤師でもある七戸さんは、天然成分だけをつかうことにこだわり、北海道産の馬油やシラカバの樹液をつかった肌に優しい製品開発をおこなっています。
赤ちゃんからご年配の方まで、家族全員が安心して使うことのできる敏感肌のためのスキンケア製品はどうやって生まれたのでしょうか。今回は私が尊敬する先輩、七戸さんにセントモニカの製品開発のきっかけや今後の展望についてお聞きしました。
こうして落ち着いてお話をうかがうのは初めてなので、どんなお話をお聞きできるか楽しみです。
セントモニカ・七戸千絵さんのプロフィール
七戸 千絵 (しちのへ ちえ)
1968年生まれ。セントモニカ株式会社 代表取締役。
大学卒業後、病院薬剤師として調剤と製剤業務に従事。
東京在住中2人の子供のお産で緊急手術を受け母子ともに死線をさまよった経験から、命について考えるようになる。
子育てを通して医療だけでは補えない心と体のケアがあるとの思いを強め、代替医療としてのメディカルアロマセラピーやベビー・キッズマッサージを学び病院や障がい者施設などの機関にて母子をサポートする講師として活動を始める。
また、子育て中の母子と年配者など地域の人たちをつなぐ『こそだて広場「ほっと村」』を東京北区商店街に設立、地域住民と母子をつなぐ場の運営、サポート業務に従事する。
2006年、個人事業主としてセントモニカを設立。
2010年、故郷札幌へ移住。同年、株式会社セントモニカ設立。
薬剤師 / 日本アロマセラピー環境協会認定アロマセラピーインストラクター / 日本アロマセラピー学会認定薬剤師 / 国際ボンディング協会認定ベビーボンディングケアスペシャリスト
七戸千絵さんの活動・受賞履歴などプロフィール詳細
株式会社セントモニカ WEBサイト
七戸千絵さんのブログ
赤ちゃんの肌に合わせて開発したスキンケアが、幅広い層の人気に
―― はじめに、七戸さんが製造、販売している製品について教えてください。
セントモニカで取り扱っているメインの製品は、天然馬油保湿クリームです。これは私が最初に開発を手がけた製品で、そこから派生して天然馬油せっけんや白樺樹液美容液などの開発へとつながり、今では10品目ほどのオリジナル商品を取り扱っています。
どなたでも安心して使うことができるよう天然成分にこだわったスキンケア製品づくりに取り組んでいます。もともとは赤ちゃんのデリケートな肌に合わせてつくったものですが、妊婦の方、産後の方、ご高齢の方など年代を問わず、敏感肌の方からもご好評をいただいています。
―― 赤ちゃん向けの製品として開発したものが、いろいろな年代の方に利用されるようになっていったのですね?
最初は赤ちゃんや出産を経験したばかりのお母さんのことを考えて開発に取り組みましたが、赤ちゃんの繊細な肌に似ている敏感肌の方や肌の弱い方、60代、70代のご高齢の方まで、幅広い方に使っていただいています。
安心して使える製品を、赤ちゃんだけでなく、肌トラブルをかかえるお母さんにも届けたい
―― 七戸さんが、赤ちゃんとそのお母さん向けにスキンケア製品をつくろうと思った最初のきっかけは何だったのですか?
私は自身の出産後、東京の産婦人科内にあるベビーマッサージの教室を運営していました。赤ちゃんとお母さんが対象のベビーマッサージ教室です。赤ちゃんの肌が敏感なことはみなさんご存知だと思いますが、マッサージ教室をやっている中でわかったのは、お母さんも産後の肌トラブルに悩まれている方が多いということでした。
妊娠、出産はお母さんの栄養を赤ちゃんに分け与えている状態ですが、お母さん自身や周りの人がそうした意識をあまり持たない場合も多いと思います。あわせて産後はお母さんがとにかく忙しくなるので、ご自分の肌や体のことは忘れがちになってしまいます。
―― 私も子供を産んでから数年は自分のことを放ったらかしでした。
とくに最近では、30歳を超えて出産される方や出産後すぐに仕事に復帰する方も増えてきました。そういった出産年齢や生活の変化は思った以上に母体に影響をあたえています。
そうした状況を目にするうちに、赤ちゃんの成長をしっかりと守ることができると共に、お母さんの体もいたわることのできるものを目指すようになりました。赤ちゃん用、お母さん用とわけるのではなく、大きな「子育て、ふれあい」としてどちらにも安心して使ってもらえるというのが、オリジナルの製品を生みだすきっかけとなったコンセプトです。
―― 赤ちゃんもお母さんも、基本的には保湿のために使うのですか?
日常的な保湿から、お母さんには例えば乳房のケアにも使ってもらっています。授乳時に乳房が切れたりすることがあるので。また、産後のストレッチケアの中では妊娠線の予防などにも使っていただいています。また母子に限らず、肌の弱い方や敏感肌の方に、幅広い年齢層の方にご利用いただいています。
製法に徹底的にこだわり、無添加・無臭・無着色の天然成分スキンケアを実現
―― なぜ、スキンケア製品の原料に馬油や白樺樹液などを利用しようと思ったのですか?
私自身がベビーマッサージ教室で安心して使用でき、参加者のみなさんにも自信をもっておすすめできる製品を探していました。大切にしたかったのは、安全な天然成分を原料としてつくること。そこで目を付けたのが、昔から医療でも様々な皮膚症状に使われてきた馬油でした。
―― 製品化されているものを取り扱うのではなく、セントモニカのオリジナル製品をつくったのは、どうしてなのですか?
赤ちゃんにも安心して使えるよう匂いをなくしたかった、無臭にしたかったのです。馬油の原料は動物性のものなので、本来は匂いが気になります。もちろん化学薬品を使用する脱臭方法もあったのですが、それでは素材にこだわった意味が薄れてしまいます。そこで、化学薬品を使わず匂いを取るために、薬用備長炭を使用するなど、様々な技術を応用して開発をすすめていきました。
―― 馬油のほかには、どのような成分を使っているのでしょうか?
配慮しなければならないことの1つに、天然脂肪のとろみがありました。私が想定したのはお母さんがかばんのなかに入れて持ち運ぶことだったので、とろみが強すぎるとふたが閉まり切っていなかったときに大変です。そこで、適した粘度にするために蜜蝋(みつろう=ミツバチの巣を構成するロウを精製した天然成分)を入れました。
また、白樺樹液も配合しました。白樺は北欧やロシアで「森の看護師」と称されるほど薬効が高く、様々な医薬品の原料になっています。樹液のアミノ酸は肌に近い弱酸性で保湿効果や美容効果を有します。こうして原料と製法にこだわり、試行錯誤を重ね、匂いがなく安心の保湿ケア、天然馬油の保湿クリームが生まれました。
―― セントモニカで取り扱っている石けんなどもすべて馬油が原料なのですか?
石けんはまた違った原料をつかっています。通常の石けんは材料に水を使っているのですが、私たちの開発した石けんは、水のかわりに完全に白樺の樹液だけを使っています。石けんの目的は本来「洗う」ことが中心ですが、私たちの石けんは保湿をも目的にしています。
―― 石けんには、他にどのような原料が使われているのですか?
保湿をメインにした固形石けんの「天然馬油ナチュラルソープ」は、白樺樹液のほか、ホホバ油やシア油が入っています。ホホバ油やシア油は低アレルギーとして認識されている肌に優しい素材です。
また、利便性を考えて開発した泡タイプの「天然馬油 泡石けん」は、4年がかりで開発、完成にこぎつけました。かゆみをおさえる北海道産の有機しそ蒸留水と、ミネラル豊富なてんさい糖を保湿成分として使用しています。
開発にあたり、石けんについてかなり調査したのですが、しそが入っている石けんは見たことがありません。漢方医学では、しそには掻痒(そうよう)というさわさわするかゆみの症状を抑える作用があると言われています。そのため泡石けんはとくに体の乾燥やかゆみ、アトピーなどで悩んでいる方におすすめです。
高い製造技術で、保存料・人工保湿剤を一切使用しない白樺樹液美容液の製品化に成功
―― 1つ1つの製品開発に、素材や技術のたいへんな努力があるのですね。
本当に嬉しいことに、たくさんの方に協力していただいています。レシピの開発には経験豊富な技術者や研究者の協力が不可欠です。
徹底的に自然素材にこだわるセントモニカの製品は、保存料や人工保湿剤を一切使わないのが魅力のひとつだと自負しています。例えば、白樺樹液でつくった保存料を使わない美容液は簡単につくれないものです。水溶性の美容液で「保存料無添加」は、他ではほぼ皆無ではないでしょうか。
たくさんの困っている方々に製品を届けるのが私たちの使命
―― 今後、どのような方にどのようなかたちで製品を届けていきたいと考えていますか?
現在、北海道の直営店のほか、オーガニックコスメや健康食品の卸、店舗、百貨店、通販生協などお取り扱いされています。
普段から愛用いただいている方は、オンラインショップもよく利用してくださっています。
今後、より多くの方に、安心な自然由来の無添加スキンケアを知っていただきたいので、インターネットを通して全国の方が気軽に商品を手にとることができる機会を増やしていきたいです。
赤ちゃん、お母さんのケアはもちろんですが、ご家族の乾燥肌やアトピーなどでお悩みの方も大勢いらっしゃいます。そういった「ひとりひとりの肌に優しい製品を求めている方」にセントモニカの商品をしっかりと届けることも私たちの使命だと考えています。
製品の開発だけでなく、同じ悩みを抱えている方が集まることのできるコミュケーションサイトのようなシステムもつくっていけたら嬉しいですね。
―― では、最後にこれからのセントモニカの展望や目標を教えて下さい。
セントモニカでは、敏感な肌のことで悩まれているすべての年代の方に使っていただける、天然由来、保存料・人工剤無添加のスキンケア製品をつくっています。子育て中のお母さんもお子さんと一緒に使うことのできる製品ですので、よりたくさんの方に知っていただき、安心して手にとってもらい、家族みんなのケアに役立ててもらうのが目標です。私たちの製品を必要としている方へ、より良いものをもっと届けることができるよう、これからも活動を続けていきます。
―― 今日は改めてお話を聞かせて頂き、セントモニカ製品のことを知ることができて本当に良かったです。ありがとうございました。
ありがとうございます。
インタビューを終えて
いつもお世話になっている先輩でありながら、今回初めて落ち着いて、製品の開発や製造のご苦労のお話をうかがいました。私自身がこうしたインタビューをするのは初めてなので緊張もしましたが、とても良いお話が聞けたと思っています。
理想の製品をつくるために協力者を探し、妥協しない商品開発を次々と実現していく七戸さんのバイタリティや積極性は本当にすごいと思いました。原料や開発工程についてまでお話してくださったのは七戸さんの製品に対する自信のあらわれだと思います。お客様への想い、天然成分へのこだわりが強く感じられました。
製品の原料は北海道産のものが多く、そうした意味では七戸さんの拠点が北海道だからこそ実現できた商品と言えるかもしれません。
赤ちゃんからお年寄りまで、家族みんなで安心して使えるスキンケア製品。今後はインターネット販売などを通じて全国の方々にもっともっと知ってもらいたいと語る七戸さん。セントモニカと七戸さんのいっそうの発展が楽しみです。
2016-06-21
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